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風の匂いや若柳や小鳥に
こころがひとりでにほころび
つぼみがゆっくり花ひらくように
はるにかぜをひいてしまうこと
くしゅん




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きらきらした風のなかで
うつくしいさびしさにたえかねて
ユリのくちびるの行方をさがしてしまう
春のよる
せつないぼくらの列はつづく




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やがて
めざめる季節の底で
ぼくのちいさな
ちいさな練習帳に
とてもずるがしこいやり方で
溶けるさふらんの海
黄昏の終わりの声を
記す




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空からゴーッって音がきこえる
きっと
ぎゅっと抱きしめてた手が
さよならしていく音なんだと思う




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いつまでも
いつまでも待っている
春のおと