夢師(ドリーム・クリエーター=バスター)
はじめ

 朝起きて夢の続きを完成させるのが僕 夢師(ドリーム・クリエーター)の仕事だ
 僕は気まぐれな夢を見る為に一日中寝る 夢を見て起きてはその夢を完成させる
 夢師には特別な力を持っているのだ だから選ばれた人間しか夢を完成させることはできない
 できた好きな夢を枕の下に置いて眠ればその夢を見ることができる
 人々は眠って好きな夢を見るのを娯楽としている
 夢の数は膨大にあり 時にはスリルのある夢を見る人もいる
 しかし中には悪い夢師もいて 楽しい夢だと偽って凶悪な夢を売ったりする者もいる
 しかもそれは夢から覚ますことができず延々と悪夢を襲わせ精神を破壊させ殺してしまうのだ
 正義の夢師にはもう一つの顔がある そういう被害者の見ている夢の中へ精神だけ入り その悪夢の根源を倒すというドリーム・バスターというものだ
 被害者を見つけ出し 守り 悪夢を避けて倒し 夢と現実の境目を探すのだ
 無事に夢の世界から連れ出して その夢を処分する
 そしてその悪夢を作った夢師を突き止め 夢幻警察(ドリーム・ポリス)と共に逮捕に協力するのだ そういった意味では夢師は探偵の役割も担っているといえよう
 夢師の作った夢の対象は子供から大人 ひいてはお年寄りまで実に様々だ 価格も子供のお小遣いで買えるガチャポン式のものから 一般市民には手も届かないような高級なものまである
 夢師は陶芸家や彫刻家 芸術家達と同じ職種だと言っても過言ではないだろう 夢を作るのは選ばれた人間にしかできず 立派な夢師になる為には夢を作る努力と悪質な夢師の夢を処理できる力の両方がなければならない 詳しく言うとそれぞれにプロフェッショナルがいるが それではこの現代で夢師としてやっていくことはできないだろう 夢について全てを知り尽くしていないといけないのだ
 今日もあなたは夢を見るだろう その夢はきっと夢師がそっと枕が敷いたもので きっとそれには何かしら目的があって 恐ろしい夢ならそこからあなたを救う為に夢師が助けにやって来るだろう


自由詩 夢師(ドリーム・クリエーター=バスター) Copyright はじめ 2007-03-28 05:48:52
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