午前十時
ソティロ

午前十時


午前十時過ぎの
屋上でひとり 夢を見てる
螺旋階段を
上るきみ
をそっ と見つめていた

代わるがわる色を映す
水 たまりの空みたいに
流れているようで
留まってる
時の中を
飛んだ


今、世界が終わる
その音に
耳 を
澄ませています

遠く、声がしたよ
ぼく を呼ぶ
きみの小さな声

この光が 闇を
越えるときを思っていた
なくしたものから
生まれてきた
言葉たちが
消えた

うたをうたっている



ああ、いつものような
繋がらない毎日 に
透明 な壁が
崩れてくような
風が吹いた

うた う

今、世界が終わる
そのうた を
ひとり
うたっています

遠く、声がしたろ
きみを呼ぶ
ぼくの 微かな声


昇る光の粒
届かないぼくの両手
流れてく季節
留まれない
時の中を
飛んだ
きみを探している


自由詩 午前十時 Copyright ソティロ 2007-03-28 00:24:46
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