女の顔
なかがわひろか

女の顔は美しく
女の顔は醜く
女の皮はつるつるし
女の皮はたるみ
女の年は若く
女の年は老い
それは女であり
それは女であり

いくつもの顔を持ち
刻まれる皺にかつての男たちの匂いが染み込む
それは女、それは女

高らかな声で歌い
かすれた声で叫び
清い汗を流し
いずれは糞尿を垂らし

それは女

それは女

(「女の顔」)


自由詩 女の顔 Copyright なかがわひろか 2007-03-28 00:11:15
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