コパ・カバーナに連れてって
はらだまさる

  


不在に打ち震えとんのや
誰もかれもが
ひとりや


コップ、まだ洗い終わってへんねんって、
やめろって、水かけんぞ、ボケ


AIWAのCDデッキに
ジャック・ジョンソンぶち込んで
顔を嘗めとる、余裕やな
ここは表象なんや、とか云うなって


走れよ、走れ
そんで耳そうじして
爪も研げ


なあ、そんなんで
やさしい人らのきれーな円環みえるか?
虹色にさぁ、みえんだよね
きれーだよ


梅田の便所の壁に描いてあった
ジャン・コクトーもビックリの裸婦のデッサンに
手ぇすり合わせて礼讃してんだ、
アホやろ、おれ


こんなん聴いてたら
ワイキキに行きたなってきた、
あ、でもほんとはコパ・カバーナに行きたいねん
サンバ、サンバ、美女、サンバ、
景色がサイコーなんやって
行きてぇなぁ


風呂入って、牙磨け、


獣、


波、
新しい波、


村の太鼓が
雄と雌を交尾させとんねん、
ええなぁ、


おい、雨やぞ


けっこう強い雨やぞ


堅く乾涸びた
大地に


皮膚に





雨や、



濡れろ






虹色に、


きれーやな









自由詩 コパ・カバーナに連れてって Copyright はらだまさる 2007-03-27 21:13:33
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