降り来る言葉 XXIX
木立 悟




散らさなくとも
散りゆくもののそのままだから
    浜辺
    知らせ
    島を生んで
同じ高さが
同じ高さのままで違うから
    猛り
    迎え
    曇をふちどり
喉じらされて
剥がれては舞ううた
    道ちぎる道
    金の格子
    意志の在り処
ひろく長い隔たりをさまよい
積もることのないちからを見つめる
    夜は巡り
    しあわせになれるはずもない
    小さく爆ぜる弦
つながろうとせず
つながりゆくもの
    おおあおおあうう
    おおあおおあうう
    四角い鉛の切っ先の声
狭まる黄色と消えゆく意志
岩の前に立つ在り得ない意志
    壁を声に満たす筆
    透きとおる水の
    底に鳴る笑み
光を知らないものの波が
光のない道に打ち寄せる
    散るものの外
    風の繰り言
    粒のおもてを流れ去る色
失われたみどり きみどり
野を分ける野の手に舞いもどる
    金の芽
    眠る虹彩の輪に
    ひらく













自由詩 降り来る言葉 XXIX Copyright 木立 悟 2007-03-27 00:05:33
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
降り来る言葉