移動
瓜田タカヤ

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犬ぞりのシートで君の内部の事だけ考えてたよ
吹き上がる雪原 重く撓る冷却の彼方で
恐怖の扉を開けろ君の悲鳴が世界を
溶かす全ての化身を振り向かすから

犬は撃ち殺せ!パララパラパッパ
ミルク混ざる乳首に
吸い付いた生き物の様に見えるから
アウー!野良犬の遠吠え虹の外側
剥き出しの銀河まで鳴り響く命

氷の湖に太陽が映りこむ
森林の中暗闇を求め舞い上がろうとする気球のように
膝を立てながら冷却の両腕を
羽のように掲げれば

アアア聞こえるかい
69兆の拳銃の引き金がすり抜ける音
アアア踏みつけた
太陽の斜面 まるで子供の血管のような亀裂


自由詩 移動 Copyright 瓜田タカヤ 2007-03-26 04:17:03
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