クローバー
夕凪ここあ
午後から雨
そうだね
草丈より少しばかり高いだけだよ
寝転んで空を覗けば
透き通ってくどこまでもずっと
背中がくすぐった痛いね
午後から雨だね
蟻が不器用な列を作って
ゆっくりと夏を連れてくる
背伸びしたいから
手をとった昨日
明日に出会えたら
どんなにか
いいね
湿った風が
向こう岸から順番に
シロツメクサを揺らしてく
一面の海だよここは
呼吸するだけで手一杯だ
草丈より少しばかり高いだけだよ
夏の明け方
知らないのは
教室から声もなく消えた机の行き先
午後からの雨
手渡した草かんむりに
こっそり編みこんだクローバー