誘う春
海月まりも

それはまるで
幼さの残る少女の媚びた笑みようで
みずみずしい色気が匂い立つ

薄いピンクの蕾がほころび
少しグリーンがかった白い花は
もう満開


春はなんだかエロティックだ
そこかしこで
欲望がむき出しにされている

見て見て!
買って買って!
食べて食べて!


誘惑の手招き合戦が始まる、始まる

篭る冬とのギャップがそうさせるのか
動物の宿命なのか


誘い誘われ
振り振られ
また季節が一巡してゆく


自由詩 誘う春 Copyright 海月まりも 2007-03-26 00:36:05
notebook Home