でこぼこの愛
九谷夏紀

いつまでもわすれられない
関係は
ちぐはぐ

縁がめぐる
輪郭がでこぼこの
わたしの愛は
どこにいても居心地悪そうにする
ふしぎな一体感をいつも求めて

わすれられないあなたへ
あなたの愛は
このでこぼこをうめてはくれないのですか?


はだのむこうの
よけいにまとってしまったもの
すべてすてて
すりあわせられたら
でこぼこがいたいけど
なめらかになりたいの
はぎとりかたにずっととまどっているから
みょうな
まあい
でもほかにやりようがないから


行き違う
目をそらす
背中を見守る
手を伸ばす


また繰り返す


でこぼこだから
すぐ痛くなるから
すぐ引き返せるように
でも
わすれられない言葉があるから


こわがりが似ていたおかげで
お互いの手首をからめ握り合って
つながったことを少し信じた


しぬまではなれられないうんめい
そんなえいえんはすてきなひびきで
でもほんとうになにがあってもはなれられない
そんなかんけいがあるのだとしたら
なんでもおこるみらい
ながいながいげんじつをおもったら
それはものすごくつらいこと
えいえんのかたおもいのほうがよっぽど
よくもないか
とことんくれてやろうかっておもえるなら
それはそれで


治りかけた傷口をあなたが開いてまた痛んでも
揺るがないものがある気がして


ねえだから
なめらかなうわべも
くれなきゃだめなの



自由詩 でこぼこの愛 Copyright 九谷夏紀 2007-03-25 20:56:15
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