だー
恋月 ぴの
春になりましたねぇ
と叫んだら
おまえっていつもじゃん
と言われてしまった
それって何なの
グラデュエーション
今の季節
はっきりとした区切りのようなものを感じる
北の国より訪れていた渡り鳥は
春の日差しを両翼に浴びて
帰るべきところへの遠い旅路に臨み
恋に破れたあの娘は
来るあても無い彼氏の姿を
夜行バスの流れる景色に追い求めながら
巣立ったはずの故郷へ帰っていった
俺の青春は赤ヘルと鉄パイプに明け暮れたよ
赤チョーチンで飲みはじめるとそう呟く
あの人
工事現場のガテン系だったのかな
軍歌を歌う世代を馬鹿にしていたけど
わたしには同じ人種にしか思えない
遠く過ぎ去った青春にいつまでもすがりつき
今を受け入れて生きようとはしないだけ
それでも可愛いんだよね
あの人
わたしってトイレ近いからさぁ
お花見って苦手なんだ
それでも一度ぐらいは行きたいな
後輩に3日前から陣取りさせた特等席で
冗談言い合うみんなの笑顔見たいしね
で
紙コップ片手にいつものやつで景気付け
1・2・3
だー。