ボール遊び
muriel

ボクは人間にいじめられて人間が嫌いになった
そんな時、あの人はボクの頭を優しくなでて
話しかけてくれた
そして大好きなボール遊びをしてくれたんだ

遠くに投げたり近くに投げたり
ボクが楽しく遊べるように
いろいろな方向に投げてくれたよ
ボクは思いっきり走り回った

なんて楽しいんだろう!
ボクは嬉しくって嬉しくってたまらなかった
だからボクはあの人が大好きになって
姿を見る度、シッポを千切れんばかりに振ったものさ

そのうちボクはすっかり打ち解けて
いつもおなかを見せて甘えたんだ
そしてたくさん遊んでもらっているのに
もっと遊んで欲しくて何度も吠えたんだ

やがて、あの人は忙しくなってあまり遊んでくれなくなった
姿を見せてもボクの方ではなく
おとなしい小犬の方に行ってしばらく遊んだ後
こっちに来ることも無く帰っていっちゃうんだ

ボクがうるさく吠えすぎたのかな?
僕が何度も甘えるから
かまうのが面倒くさくなったのかな?
それとも、ボールを渡す時にボクの牙があの人の手を傷つけたのかな?

「いつか車で広い河原に行って思いっきり遊ぼうな」
そんなこと言ってたっけ
ボクはそんな日が来るのを楽しみにしてたんだ
でも、もう遊べないの?

ボクはこのまま待っていたらいいの?
それともここを立ち去るべきなのかな?


ねえ、誰か教えてよ・・。


自由詩 ボール遊び Copyright muriel 2007-03-24 23:24:41
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