降るような星の夜に2
はじめ

 巨大な隕石が地球に降ってきて
 リヒテンシュタインの石油工場が大爆発した
 轟炎が吹き荒れ 火柱が無数に乱立する
 人々は逃げ惑い 地上からは消防車が空からはヘリで消火活動を行う
 ニカラグアの大都市では月のクレーター程の穴が空いてほぼ壊滅状態だった
 ツバルの旅客機に隕石が当たり 旅客機はフナフティの郊外に墜落し粉々に壊れた
 生存者はオーストラリアから観光に来た家族の赤ん坊一人だけだった
 クリスマスで湧いているアメリカのニューハンプシャー州のリンゴ農家の一家が隕石のおかげで命を落とした
 北朝鮮の開上工業地区にも隕石が落下し大惨事を引き起こした
 塾の授業が終わった僕は塾を出て自転車に乗ろうとした時 夜空に物凄い数の流星群を見た
塾の先生が慌てて外に飛び出して来て 「地球に、隕石が降ってきたそうだ!! 今ラジオで緊急ニュースが入ったんだ!! 日本にも被害が出ているらしい!! お前達、早く家に帰って避難するんだ!!」と叫んだ
 同じクラスメイト達は夜空が明るく輝いている下で大騒ぎして自転車に乗って逃げるように帰って行った
 世界各国では地下シェルターに人々は逃げ込み 地上の無惨な姿を想像して隕石が収まるのを待っているしかなかった
 僕は街のあらゆる所で悲鳴と怒号が響き渡っている中で ただ君とこの夜空の異変を見ているしかなかった
 僕達は空き地に行き 土管の上に座りながら空を眺めた
 僕達の地球はもう終わりだろう
 何処に隠れたって僕達の国にはみんなが避難できる地下シェルターは無いし 隕石がこの街に落ちてくるのも時間の問題だろう
 僕達は世界が終わるのを眺めていた
 そっと二人は寄り添ってお互いの胸に耳をつけて この胸騒ぎと君の心臓が交互に鼓動するのをじっと聞き入っていた


自由詩 降るような星の夜に2 Copyright はじめ 2007-03-24 05:47:26
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