ふるる

       さあ勇気を出して飛んでごらん
      怖がらないでいいその腕は翼だ
     君は忘れてしまったのだろうが
     かつてその両腕を繰って大空を
     自由に飛んだじゃないか一緒に
     君は何かを振り切るように飛び
      何者もその速さに追いつけない
       なんていい眺めだっただろうか
        君は笑っていた青空を背にして
         全てを振り切っていたんだろう
            その力強くて大きな優しい翼で


            君はもう忘れてしまったんだね
         でも耳をすませばまだ聞こえる
        空を切った時の風と雲の悲鳴を
       顔にかかる雨粒の小さな告白を
      両腕の下には風を感じるだろう
     涼しいあれが君を高く高く連れ
     僕はとても好きだった君の姿が
     あれほど自由で優美なものなど
     他にないとわかったからいいよ
      その思い出だけを胸に僕は眠る
        眠る僕を君は思い出すかな翼を





自由詩Copyright ふるる 2007-03-22 23:13:49
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