運命さん<18のprose-16->
ウデラコウ

先日 運命さんにお会いしました
真夜中 いつものようにベッドの中でまるまってると
例のミッキーマウスが私の頭を ポカスカ叩くので
仕方なく目を覚ますと 凄い勢いで手をひかれ
私はミッキーマウスの後に続いて 
暗闇の中を 突き進んでいきました

暫く歩いていきますと ピタッとミッキーマウスは立ち止まり
振り返ると私の後ろを手で示し 誇らしげに言いました

運命さんが いらっしゃいました

私はその言葉に 驚いて振り返ると
そこには 真っ白な服を着た私が 立っていました
目を白黒させながら 彼女を見つめていると
運命は小さく笑って 私の腰あたりを指差しました

まぁ 座れよ あんまり用事はないけど 話ぐらいしてやる


まさか自分に命令されるような日が来ようとは 思ってもなかったので
私は少しだけ 顔をしかめましたが
それでも運命を敵に回すのはどうかと思い
静かにいつのまにか現れていた椅子に 腰掛けました
すると運命は 私に向かって勢い良く 喋りだしました

それは運命の自慢話にも聞こえましたし 愚痴にも聞こえましたし
不満にも 喜びにも 楽しみにも 悩みにも聞こえました

私はその運命の不思議な話に じっと耳を傾け 静かに聞いていました

その様子に満足したのか 運命は区切りの良いところで話を終えると
私に立つように言いました

もうそろそろ帰れ 最後に1つだけ 教えてやろう


そう言って ニヤリと笑う運命に 私は不思議そうに首を傾げました

お前がこれから起きて 1番初めに連絡を取る人間が お前の運命の相手だ


その言葉に驚いて 聞き返そうとしたところで
目が覚めました

暫くボーッとした後
勢い良くケータイに飛びつくと
即座にあなたにメールを送りました

そして送った後 気付いたのです

運命の相手を選んだのは 他でもない 私であると

運命にいっぱい喰わされたのか
運命に導かれたのか

わかりませんが、今度また運命さんに会えたら 聞いてみたいと思います

でも私は 自分の意思で 当たり前のように
あなたを選んだことを

何よりもあなたに 伝えたいのです




自由詩 運命さん<18のprose-16-> Copyright ウデラコウ 2007-03-22 10:55:21
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