秘密
atsuchan69

  一 風呂

 陽の涼しい頃。
「お風呂からどうぞ
と彼女(?)は云った、
日本式の内庭に案内されると
葦簾張りの小屋に岩風呂があった

霞んだ白に残した青み、
空高く尾翼は全く見えない

 小 = )))

飛んでゆく ジェット旅客機

暫く、湯舟から隙間だらけの空を覗き
ナチスの残した技術によって
成就されたこの世界――
ゼンガー博士の遺志を想う


 二 フリーメイソンの腕時計

 薄闇の風呂上り、
大蓮の葉のうかぶ池の畔
テーブルに枝豆とビールが運ばれ
君は、ついに正体を現し、
その腕には三角形の腕時計
「秘密は古代から守られて来ました
と微笑んで云う。


 三 蚊帳のなかで

 「はい、私の性別は男です
しかし僕は 彼女(?)を抱いた・・・・


 四 詩人の血

キリスト教の背後にミトラ教がある
仏教の背後にミトラ教がある
イスラム教の背後にミトラ教がある
神道の背後にミトラ教がある

そしてユダヤは反ミトラ主義である
ローマよ! まだ見ぬ神に、アーメン。


 五 空海

 天使たちは舞い降りてきて
地上のあらゆる知恵と秘儀を彼に授けた
彼が授かった知識のうち
最も大いなる真実は、筆の誤り

ば、はははは バッハ「おお、永遠の火よ」


 六 イスラムの復興

 ちゅうか、
あと中国でしょ。
いつの間にかチャイナドレスに着替えて
君は老酒を蚊帳を吊るした寝室に届けた。


 七 大和魂

 宗教なんて どうでも好いじゃん
政治も、けしてどうでも好くはないけど
男でも女でも どっちでもいいからサ、
――おまえ、豆腐好きか?
梅干と炙った鰯 ワカメの味噌汁
それからお茶漬け好きか?

ああ、だったらキス。 )))
君は紛れもなく日本人だぜ











自由詩 秘密 Copyright atsuchan69 2007-03-21 23:54:31
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