絆創膏
海月

白と黒の記憶の片隅
その中でも君は微笑む
唇も目も其処に在る様に
手を伸ばしたら壊れてしまいそう

優しい中に鋭利に尖った凶器
知らず知らずに君の優しさに溺れて
心の奥底まで癒える事なき傷
傷口は開いたまま

一度だけのつもりが味を占めて
何度も何度も君を抱いた
後悔が後から胃袋から出てきそうで
それを閉じ込める為に
君と繋がっていたかった

夢や希望や理想
綺麗に輝く物を拒絶した
嘘や絶望や現実
薄汚れた物を受けいれた

君と僕は表裏の関係
立ったままのコインはいつしか斃れる運命
僕らの為の場所は無く
僕が此処を離れるか、君が離れるか
どちらを選べないままに日々が過ぎていった
気づいたら君が隣にいなかった

心が引き裂かれた

絆創膏を張っただけじゃ直ぐに剥がれて
内側から君との思い出が溢れて
君がいない場所に君を創る
僕はこんなにも君を愛していた
今になって気づく

掴んだ手の中は虚しく
だけど、君の心に触れた気がした
そろそろ絆創膏を要らずに傷を塞げる
そして、瘡蓋が出来て
ちゃんと傷が癒えて
その時に君の事を忘れれる筈


自由詩 絆創膏 Copyright 海月 2007-03-21 00:17:07
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