ラルゴ
ひろっち
将来はカナダに永住しようという僕の夢は、
嫁の「ていうか無理」の一言で夢と化した。
結婚は我慢することだと思うが、
正確に言えば、決してそうではないとも思っている。
嫁のパンツは外に干すことにしている。
特にどうでもいいのだが、嫁に確認済みだ。
でもなぜかブラは中だ。
ブラはワイヤーが入っているのでそのまま洗濯機に放り込むと相当怒られる。
特に何が言いたいわけでもないが実際に相当怒られる。
幸せだと思うと詩にはならない。
新喜劇のクライマックスのように、
事件が幸せへの架け橋となるような状況下ではせいぜい、
笑い声の吹き替えに耳を傾けるのが精一杯で、
島木譲二のこめかみの血管を拝むことなんて到底無理だ。
結局独身でいることが時間を楽しめる唯一の方法だと思っている。
けれど、考えてみれば必ずしもそうではないことが分かる。
結婚式の余興をしない結婚式は物足りない。
余興暦(女子高生、馬、白タイツ、モー娘など)を振り返ると、
結婚式は自分の表現のためにあるようなものだ。
結局、ご祝儀代分、損した気分だ。
何か最初はそんな感じじゃなかったはずなんだけど、
気がついたらそんな感じが支配的に蠢いていて、
神格化した詩人の文字化けに飲み込まれてしまうかのように、
後味の悪い、いつもの週末。
春二番。
鶴亀に微動だにしない右脳。