涙
ae96
「 涙 」
雨が降って
水が地上に生まれ落ちる。
そして
まるでこの星の頬を伝う
涙のように
清らかに流れる。
夜の花びらみたいに
まぶたを閉じて
ふたりだけの
楽園に眠る 僕たちは
ベッドのうえ。
そして眠りとともに
水でできた肉体を脱ぎ捨てて
裸になってはしゃぐ
僕たちのソウル。
けっして眠ることのない
僕たちのソウル。
故郷への旅を終え
瞬く星の夜を越えたら
朝陽にやさしく起こされてひらく
花びらのように
僕たちは また
ゆっくりと
まぶたをあけて
ここへと 帰ってくるんだ。
そして
雲を映す
ガラス色の空から
生まれ落ちた
僕たちは
きっと
この星の頬を伝う涙のように
歩いていくんだね。