浪洞
木立 悟





墓の無い終わりを告げる水の羽




弥生やよいより流れ落ちたる卯月うづきかな




とどまらずただこぼれゆく冬の雲




傷を抱きまたたくつばさ傷を呑む




海鳥の語りひもとく河口の灯




とばりから臓腑ぞうふへ至る吹雪かな




供えても供えても消ゆ火は緑




むくろには羽たちのうた浪の洞











俳句 浪洞 Copyright 木立 悟 2007-03-19 14:15:02
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