油分
ひろっち

空気がひんやりと肌に沁みて、
鼻水が垂れてきて、
吐く息の白が洗面所の一辺に滞留して、

催したのでトイレ行ってうんこして、
うんこしながら歯を磨いて、
トイレットペーパーがないので、尻の割れ目を挟み込まない中腰程度で上に置いてあるトイレットペーパーとって、
ふき取って、
スーツを着て、
ネクタイ締めて、
嫁と娘に見送られて、

空気がひんやりと肌に沁みて、
鼻水が垂れてきて、
チーズバーガーを頬張って地下鉄に乗って、
気がついたら渡辺通りに到着して、
降りて、エスカレータに凭れて目の前の禿を眺めて、
歩いて、
歩いて、
歩けばエレベータ乗り場に到着して、
15階で降りて、

朝礼済ませて、
そのまま三菱と東芝と打合せがあって、
険悪な状態で終わって、メール確認して、
昼になったので消灯して真っ暗になって、
点け戻して、

カツ丼食らって、
昼からの仕事、眠くなって、
やり過ごすことなく仕事をこなして、
23時30分には頭が飽和して、みな帰る気になって、



おかゆを胃に流し込んで、布団へ潜り込んで、



空気がひんやりと肌に沁みる。


自由詩 油分 Copyright ひろっち 2007-03-19 02:17:50
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