しだれ桜


思ったよりも上出来だナァ

うな垂れながら 重すぎる先端の一片一片を揺らす

マダ冷たい北風を

日陰に入ってしまえばマダ見ることのできない色ももうちょっと
もうちょっとと枝を渡して集めている

あともうちょっとあともうちょっと
そんなことを言っている暇はないはずなのに

ついつい先送りにしてしまって
本当は言いたいことを言わないでごまかしている

もうすぐもうすぐ春が来る
少しずつ足を速めて春が来る
春風に乗ってすべて消えてしまえばいいのに

今年も雪が降りました
春になって桜とともに雪が来ました
今はまだ寒いからもう少し手を繋いでいられたらいいと思うのです
たぶんそれだけのことなんです
きっと台風が来る頃には何もかもマタ失ってしまうのです
そう きっと そう
早すぎた春を眺めている間に


未詩・独白 しだれ桜 Copyright  2007-03-19 01:10:20
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