遥か遠い未来
人類は一度滅亡した
放射能に満たされた地球は
再び人類が支配していた
ようやく科学文明が芽生えた頃である
土の中から
直方体をした箱が出土された
その一つの面には上下を赤と緑で分けられていた
赤い部分には人が立っている様子
緑の部分には人が歩いている様子が
描かれていた
人類はこの箱の謎の解明に乗り出した
ある学者が
この箱は何かの儀式に使われたのではないか
と仮説を立ててそれが定説となった
この定説にある学者が
われわれ人類の歴史以前に
かなり高度な文明を築いた生物が
存在したのではないか
と異論を唱えたが
当時は誰も相手にはしようとはせず
単なる空想として流されていった
過去が過去として成り立つには
さらに未来を待たなければならなかった