ポッケ

人が住む箱ばかりのくせに
午前一時の住宅街は
音を立てるのは容れものだけ
人の声がきこえない

公園に並ぶ枝ばかりの木は
夜空より暗く
影絵のようで
冷たい踝で立つ枝の真下は
無音だった

夜空と私を覆うような影は
あのころと変りなく
幼かった魂は
癒着した圧倒と畏れを
大声で泣き叫び
体中に響かせていた

あのころと変りない
夜空と影も
圧倒と畏れも
泣き叫ぶことのない私以外は

探している
今は
魂は
響かせる場所を





自由詩Copyright ポッケ 2007-03-17 17:13:53
notebook Home