268番のK
はじめ

 夢の中のホテルの中
 君への想いは朽ち果ててしまった
想いを吐き出す心が疲れてしまったのだ
 異常に広いスイートルームでウィスキーを飲みながら彼女を待っている
 話が終わり彼女から言ってくればセックスをするつもりだ
 男として彼女から性欲を満たそうと思わない限り性欲を掻き立てては駄目だ
 僕はずっと上空へと人々から逃げて困っている人々の夢を叶え続けていた孤独だった
 でも心身は限界に来ていたのだ
 それでとうとう彼女に想いを伝えた
 後は彼女が僕の想いを受け入れてホテルに来てくれるのを待っているだけだ
 叶わない夢よりも実現可能な夢をとるのは当然だろ?
 グラスに自分の顔を映して自分を観察する
 彼女は来てくれるだろうか
 部屋番号さえ教えていない
 彼女は無事にここまで来れるだろうか?
 僕のことを愛してくれるのならばこの場所が分かるだろう
 最上階にありながら地下にあるこの部屋
 部屋には僕の好きなゴッホの絵とココシュカの絵が飾られている
 ウィスキーの氷がからん、 と乾いた音を立てた
 もうすぐ約束の時間だ
 この時間までに彼女が来ないと想いは拒否されたことになる
 一気に辺りは暗くなる
 キングサイズのダブルベッドの傍の明かりが点いて性欲の衝動を促す
 時間は刻々と約束の時間に近づいている
 い・つ・か は死んだ
 僕は?今?を待っているんだ


自由詩 268番のK Copyright はじめ 2007-03-17 05:35:28
notebook Home 戻る