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水町綜助

ブタの貯金箱割って流れ出る沢山の硬貨、ヤニ汚れのすすけた窓がらす越して煤を置き、去り、にした氷みたいな色の光たくさんの硬貨を弾いてなんつぶもなんつぶもうまれて乱反射する光の鋭角、の子供達あふれてこぼれ てあたりしだいにとりあえず立ちこめるのは流れ出した銀貨銅貨の金気。まるでけつえきのようなにおい

巻きもどす

叩き割られるブタの貯金箱陶器のなめらかすぎるミルクのような肌のかけら大きなかけらひとつつまんで舐めてみる温度が奪われている僕の舌が唾液に溶けて

銀貨は流れ出す

畳の上に

細かな

織られた

めのうえに


巻きもどす


割られたブタの貯金箱奪い去られた硬貨からだのそと流す血もなくうばいさられている

巻きもどす

ブタの貯金箱叩き

巻きもどす


降り上げられた金槌
こどもの右手に拾われる金槌
落ちている金槌
落とされた金槌
道上にうめき声のような音たて落下した金槌
するりと音をたて滑り落ちる金槌
しろいゆびがひらかれて木の柄をはなす
力無く握られた金槌
右斜め上を流れる空気を見ているようなまなざし
歩いてくる
男が階段を下りて

博物館のドアを開けて

再生







自由詩 ホームビデオ Copyright 水町綜助 2007-03-17 04:31:49
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