最後の日に
山中 烏流

一日だけ、と言って
黒板と呼ばれた
緑色の物体は
たくさんの文字で、化粧


昨日の涙は、嘘じゃ
嘘なんかじゃ
なかったんだよね?


第2ボタンが

ぷらぷらと、揺れる。


空をきった手の平には
もう、返る声はなくて
言い忘れた言葉たちが
空間に、反射する


さよならを、忘れたのは
また会いたいから
会えるから、だよね?


ダンディーな空は

全部、見て見ぬフリ。


きいこきいこ鳴く
ブランコに身体を預ける
代わりに、泣いて
くれていて欲しかった


涙が出なかったのは
寂しくも、悲しくなかった訳でもない
辛かったからだよね?


遠く離れた砂地に

一粒、ぽたりと落ちた。


自由詩 最後の日に Copyright 山中 烏流 2007-03-16 02:42:44
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