水の間に生まれて落ちる
花丸ぺけ

ぼくはひっそりと生まれ、この世を去った。

長い間、暗闇を歩き、しばらくの間、眠っていた。

ばくはだまってその場を去った。

誰の目にも触れることなく、消えていった。




消えること、寂しくて、消えること、悲しくて、

ひっそりと、涙、流れた。



明るい部屋、白い空気、緑の葉。

見ることもなく、感じるだけであった。



ぼくは生れ、そして、消えた。




青い空。白い雲。凪ぐ風。

ただ、すいこまれるように消えていった。


未詩・独白 水の間に生まれて落ちる Copyright 花丸ぺけ 2007-03-16 02:00:18
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