朝起きたら
吉田ぐんじょう

※いちにちめ

朝起きたら
靴から花が咲いていた
綺麗な花ではなかったが
あんまり堂々と咲いていたので
迷った揚句に仕方なく
会社へは裸足で行くことにした

※ふつかめ

朝起きたら
何者かの悪戯により
脚が大分のびていた
道理で靴が履きにくい
一度ジャンプをしてみたら
着地の衝撃でぎゅず、と縮んだ

※みっかめ

朝起きたら
鼻が非常ベルになっていた
生活に支障はなかったが
やたらと押されるのには閉口した

※よっかめ

朝起きたら
檻に入れられていた
どうしても出られないので
会社に欠勤の連絡をし
外にいる人に笑われるがまま
大人しく隅っこで丸まっていた
夕方になったら出されたものの
出されたら出されたで
何だか困った

※いつかめ

朝起きたら
心臓がとまっていた
そんなのずるい、と思った


自由詩 朝起きたら Copyright 吉田ぐんじょう 2007-03-15 20:39:27
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