とったん
月音

その丘は 
いつも 風が吹いているので
僕は 立つことの意味を 考える

その丘からは 
遠くの川の流れや 大きな樹が作る木陰
彼方の波立つ海が 見えるので
僕は 立ち続けることの意味を 考える

笑って いるようで
泣いて いるようで
それでも 風に吹かれ続けることの意味を 考える

さあ 獣たちの群れが 
木陰を探し 水場を探し 餌のありかを探し

ここからは その姿が見える
日の昇る様も 日の沈む様も

宿り木のない場所で 己の骨だけを頼りに
丘に生まれる草だけ を食み

そうして いつか 知る
そこが 世界の突端であることを




未詩・独白 とったん Copyright 月音 2007-03-14 20:56:33
notebook Home 戻る