観測地点


夜の外側には いつだって 痛みが伴われている
日の光も 朝焼けも 水のしたたる雲ですら
誰かの祈りだけじゃあ 生きてゆけない
だからといって
痛みを 覚え 痛みに 慣れることを
すすめたわけではないけれど
やさしく傷をえぐる風景を 忘れることも ないと思う



朝の外側は 正しく夜だろうか
夜の外には そういえば 優しさ以外の優しさ達がいたけれど
朝の外には 別れ以外の別れが いるのだろうか
確かめるには 愛が必要
誰も想えぬ鈍った心に感感じられるほど
朝が優しくない って 知っているだろうに



鳥が羽ばたいた後に残る跡を
僕と 君は 捨てられずにいるだろう
ずっとずっと いつかそれは永遠にほとんど近くなって
終わり続け 始まり続ける その全てを
抱きしめられるかどうか 悩んでいるのだろう
外側を見て 内側を知って と
そう叫ぶ僕らの在り方こそ が
いつか お伽噺のひとつになれば なんてね



夢と夜と朝との境界が 幻になってしまう前に
僕と君ともしかしたら鳥とは 願っているだろう
空と果てと 希望を見上げて
僕らは 裏切らぬお伽噺を 願い続けていることだろう




自由詩 観測地点 Copyright  2007-03-14 19:21:25
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