観測地点
汀
夜の外側には いつだって 痛みが伴われている
日の光も 朝焼けも 水のしたたる雲ですら
誰かの祈りだけじゃあ 生きてゆけない
だからといって
痛みを 覚え 痛みに 慣れることを
すすめたわけではないけれど
やさしく傷をえぐる風景を 忘れることも ないと思う
:
朝の外側は 正しく夜だろうか
夜の外には そういえば 優しさ以外の優しさ達がいたけれど
朝の外には 別れ以外の別れが いるのだろうか
確かめるには 愛が必要
誰も想えぬ鈍った心に感感じられるほど
朝が優しくない って 知っているだろうに
:
鳥が羽ばたいた後に残る跡を
僕と 君は 捨てられずにいるだろう
ずっとずっと いつかそれは永遠にほとんど近くなって
終わり続け 始まり続ける その全てを
抱きしめられるかどうか 悩んでいるのだろう
外側を見て 内側を知って と
そう叫ぶ僕らの在り方こそ が
いつか お伽噺のひとつになれば なんてね
:
夢と夜と朝との境界が 幻になってしまう前に
僕と君ともしかしたら鳥とは 願っているだろう
空と果てと 希望を見上げて
僕らは 裏切らぬお伽噺を 願い続けていることだろう
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