星空の帰り道
黒子 恭

星達が朝に帰っていく。
置いてきた温もりが微かに顔を出したように、輝いた
気がした。
 
星達が朝に帰っていった。
人々は狙いすましたように、朝日を追い抜いて、電車に乗る。彼等がまるでいなかったかのように。
 
誰もさよならは言わない。
 
分かってる。
分かってるんだ。
また会えることくらい。
 
 
星空の帰り道。一人、それを見ている。
手を振った先には、もう彼等は居なくて、朝日が代わりに、お早うを持ってきた。
 
人々は狙いすましたように、電車に乗る。
僕も狙いすましたように、朝を、自覚する。


自由詩 星空の帰り道 Copyright 黒子 恭 2007-03-14 11:23:13
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