泣き虫のひとりごと
蔦谷たつや
気分が悪い。
人の気持ちがわからない。
今日会った僕よりずっと年が上で
人生の半分以上生きた
名前すら知らない人が気に入らない。
「ひどい男でした。」
(I My ME ME MINE♪)
「そんなきれいなものじゃねえ!」
僕はそのひどい男の
名前すら知らないから気分がわるい。
僕はそのひどい男の
いやな部分しか知らないから気分がわるい。
僕は絶対に名前も知らない人や初対面の人には
年下であろうが年上であろうが、親戚であろうが
えらそうな口のきき方はしない。
けれども、それをする人がいる。
今日、それをする人を見た。
世の中にはそういう人が山ほどいる。
「僕だって知っていますよ、そのくらい。」
日本の義務教育なんて
その程度のものなんだ。
国語の問題じゃない。
きっと、彼でも敬語は使う。
上司相手に敬語を使う。
きっと彼でも作文はできる。
きっと彼でも辞書がひける。
けども、大人になっても本当の使い方を知らないのです。
道徳の問題だ。
心がほんとに狭いのです。
「美しい国日本を作ろう」
(すみのほうで)大杉栄が笑ってる。
「すみません」
受け流せないの、僕は若いから。
「すみません」
傷がいったよ、僕は弱いから。
僕はきっと偉そうな口で話さない。
これだけはしっかりと守る。
優しいおじさんになりたいな。
だから、これが最後の最後。
「くたばっちまえ」