光線
霜天

陽射し
薄く引いたカーテンの隙間に漏らしてしまう
黄昏かけた感覚のようなもの
軽く息継ぎをするだけで
空に届きそうになってしまう

力の限り今日を生きると
力の限り力が抜けてしまう
日が昇って
かざした手の境界線がなくなって
昨日、と
面倒ごとを押しやるようにして
溶かして曖昧にしたあたりから
淡いピンクに輝かせて

軽い息継ぎをして
気付いていません、と意思表示をしながらも
薄目を開けて追いかけてしまうあたりに
深く、潜ってみる
いつもは見せない予定を
手帳の隅に書き起こしてから、机の上に残していく
僕らがここにいることの声
もう少し深く、潜ってみるための


光が、届く
薄く引いたカーテンの隙間に漏らしてしまう
黄昏かけた感覚のようなもの
軽く息継ぎをするだけで、空に届いていくのなら
霞のように消えていく声も、ないのかもしれない
手をかざす
その手をなぞる
境界線を確かめて
いつか同じようにした人のことを
昨日から
溶かすように綺麗に忘れ始めている


自由詩 光線 Copyright 霜天 2007-03-13 02:21:13
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