梟の反転する
新月の晩

張りつめた
輪郭をなぞる

三日月の指先

少女の
祈るためだけの
やさしいかなしみ

揺れる
唇から零れる
夜の羽音

葉擦れ

白昼夢より
オクターブ低い
淡さ

ざわめく
硝子の目玉

千切れる
喉の底から
裏返しの唄

さようなら

みかづきのゆびさき
やさしいかなしみ
がらすのきりくち
かわいた
すなのね

やがて
眠りへと
ほどかれていく

白昼夢より
オクターブ低い
淡さ

葉擦れ

零れてく
さようならの
羽音