さよなら
たもつ

魚は
夜に鳴く
なくした
ラッパを思って

+

砂糖瓶を
よく洗って石段に
並べていくと橋を渡る
来客があった

+

探し物の
予定のない日
菜の花畑で一人
ラジオを分解してる

+

砂漠からはぐれて
夜明け前の古びた
仲見世通りを
ラクダは行進する

+

さよなら
幼稚園のお庭
夏が来るね、昔の
落書きみたいに




自由詩 さよなら Copyright たもつ 2007-03-12 08:40:38
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アクロスティック