凍った骨
九谷夏紀
いつの間にか骨が凍っていたから
熱っぽいあなたの言葉で
解凍された体液が流れ出る
うっとりとするひとときが過ぎたら
肉が痛んだ
焦がれるほどに泣けるほどに
肉に刻みつけたいと望んだのは私です
骨にすぐ熱が伝わって軋まなくなるからと
低温でじわじわと外側から
ゆっくり時間をかけて内側まであたためて
なんて望んでないのよ
急激にどうしようもない力で熱くしてよ
早くあなたを
こんなにまでなめらかに
こんなにまでしとやかに
少しでも早く
撫でてあげられるように
自由詩
凍った骨
Copyright
九谷夏紀
2007-03-11 17:41:29