*雨路物語*
ちと

流れる車両に身を委ねて
世界に逆らって辿り着いた駅は

鈍色にびいろ

還る人々に身を溶かして
改札を一歩 踏み出した途端に

冷雨ひやあめ


いつからか
慣れてしまった帰り道

今夜ばかりは深々と


ひとりぼっち


何かあったのは
私の方

違うのは
いつもの帰り道じゃなくて

私の方


 
  代わりに泣いてくれた。


それだけが救い


自由詩 *雨路物語* Copyright ちと 2007-03-11 02:51:38
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