たもつ

新しいお絵描き帳と
クレヨンを持っていった
何も描けなかった
周りの子たちは
鳥も魚も人も
自由に描いた
真っ白く広げられたものの前で
どうしたらよいのか
わからなかった
どうしたの?と先生に聞かれて
何か答えた
もしかしたら
泣いていたかもしれない
呼吸をする
吐いた息が紙になる
今なら描けるかもしれない
けれどいつも
紙はすぐに消えてしまう


自由詩Copyright たもつ 2007-03-10 19:37:07
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