気は優しくて力持ち
水在らあらあ





十一年伸ばした髪も切られ
おかっぱ頭になったことだし
明日から金太郎になります
まさかり 担ぎます
熊に 乗ります

もうハッタリも効かなくなってきたことだし
これからは金太郎として生きてゆきます
熊に 乗ります
いつの日か 飴になったら 味わってください
なるべくなら 噛まないで
きっと 切っても切っても 笑顔です

バスク人の彼女を始めて日本につれてきたとき
成田で 日本の男子諸君を見て
日本の男の子はみんなゲイなのかってきいてたぜ
こじゃれて 白くて くねくねして

中性っておまえ何のことだ
ユニセックスって天使かおまえは
俺はもうこれから
おもしろおかしく 陽気に はしゃいで

人に優しく 力強く
生きていきます
生きていきます
お姫様を
お姫様なだけに
お姫様抱っこして
七つの海を渡ります

生活と冒険の痛みに満ちた
醜い筋肉がついても
書斎が似合わなくなっても
荒れた波頭を割り続けた帆柱のように日に焦げて黒ずんでも
優しさを持って
おまえを守る

たくさん傷があるから
眠れない夜は
おまえはそれを数えればいい
俺はいちいち覚えていないその傷跡に
物語をつけて
おまえは夢の世界へ
傷だらけの騎士を連れて
冒険に行く

朝日はいつも生まれたてで
生まれたてのハッピーエンドで
そこから一日が始まればいい
そして俺は野獣で
おまえはそう

美女で











自由詩 気は優しくて力持ち Copyright 水在らあらあ 2007-03-10 08:20:46
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