ポエたく
ポッケ
最近私はポエジーが生まれると
魚拓のようにポエたくをとるようになった
昔はそんな方法を思いつきもしなかったので
残せぬまま何年も過ごしてきた
ポエたくは大昔から在ったのだが
自らのポエジーを残す作業であるとは
ついぞ知らず今まで来てしまっていた
こんな素晴らしい窓が開かれていたのに
私はずいぶん遠回りをしてきた
しかし出逢えたことは僥倖であったろう
ポエたくは人によって使用する材料が違う
似たようなものもあるが
やはり作り手とその一瞬の出会い
それがポエたくをただ一つのポエたくにするのである
一卵性双生児の人格が異なるのと似たことであろう
私の場合、方眼紙に青い水性インクがしっくりくる
ときには和紙であったり
布であったりもする
何を選ぶかはポエジーの要求そして気分である
ポエたくは作品を見てくれた人の感想が実に興味深い
そしてそれ以上に
自分の感想が殊のほか興味深いのである
そのまま映しとったはずなのだが
そのままでありなおかつ沈んでいたものが浮かび上がっているようであり
納得のゆくような映しとり方はいまだ出来ずにいるが
なんともいえず現在やみつきになっている次第である