影踏み遊び
ぽえむ君

私は今でも忘れない
学校の帰り道
家に着くまでに
いろいろな影を踏んでいく
影踏み遊び
大きな木の影家の影
人の頭を踏んだこともあるけれど
鳥の影を踏めたときは
空を飛んでいるようだった

いつものように影を踏む
誰かの影があったので
ちょこんと頭を踏んでみる
ところが影は私の足をするりと
よけてきた
誰の影かと道を見上げれば
そこには誰もいなかった
けれどもそこには人の影

もう一度踏んでみる
影は私の靴先から逃げてゆく
そのまま大きな木の影に
消えていった

あれから何度もその道を通るけど
影に出会うことは一度もない
人の影を見るたびに
足を乗せて確かめる
けれども影は私の足の下
あの影は誰の影だかわからないけれど
私は今でも忘れない


自由詩 影踏み遊び Copyright ぽえむ君 2007-03-09 11:38:25
notebook Home 戻る  過去 未来