影踏み遊び
ぽえむ君
私は今でも忘れない
学校の帰り道
家に着くまでに
いろいろな影を踏んでいく
影踏み遊び
大きな木の影家の影
人の頭を踏んだこともあるけれど
鳥の影を踏めたときは
空を飛んでいるようだった
いつものように影を踏む
誰かの影があったので
ちょこんと頭を踏んでみる
ところが影は私の足をするりと
よけてきた
誰の影かと道を見上げれば
そこには誰もいなかった
けれどもそこには人の影
もう一度踏んでみる
影は私の靴先から逃げてゆく
そのまま大きな木の影に
消えていった
あれから何度もその道を通るけど
影に出会うことは一度もない
人の影を見るたびに
足を乗せて確かめる
けれども影は私の足の下
あの影は誰の影だかわからないけれど
私は今でも忘れない