水滸伝の彼女
シリ・カゲル

僕の彼女は、昨年度の
準ミス水滸伝
今年度こそは万全を期して
グランプリを獲得してやろうと
画策しているようだが
素人の僕から見ても
去年の彼女に比べて、全然水滸伝じゃない

やっぱり株の売買のしすぎがいけないのかしら?
それとも今年に入ってから
モバイトしてワークするのを始めたせい?
リビングの鏡に全身を映して
肩を落としている今年の彼女は
とにかくいちいち
水滸伝性に欠けていた

そこで僕は
深夜の水族館に彼女を連れ出し
魚たちの衆目の中で求め合って
来る日も、来る日も
一緒に水滸伝性の回復と非水滸伝性の除去に努めた

その甲斐もあってか
彼女はついに念願かなって
ミス水滸伝グランプリを獲得
日本代表として
リオデジャネイロで行われる世界大会へと旅立って行った

水滸伝的宿命的な命の萌芽とともに。


自由詩 水滸伝の彼女 Copyright シリ・カゲル 2007-03-08 23:26:50
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