ぬけがら

懐かしいと思ったのは、
かつてそれが自分のものだったから?

それとも自分だったものは
もうどこにもいないから?

でもぬけがらを手に取って
こんなことを考えてる、

そんな自分は誰だっけ?


未来はいつも、
過去の中に仕舞われてる?

動かなくなった蛹から、
やがて風をなでる
柔らかな翅が伸びてくるみたいに?

蕾の、奥の、向こう側から、
去年とおなじ また
赤い花びらが開くように?

さっきのキミと
そっくり同じにみえるいまのキミ

もしも、
足りないんだとしたらそれは一体?


自由詩 ぬけがら Copyright  2007-03-08 18:15:13
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