お題/そして死ぬとき
茜井ことは
望んでいる
忘れられていくこと
もう二度と会えない大好きな人に
淘汰されていくこと
居場所を確立するために
あたしは何を頑張れただろう
深く伸びていく腕の切り傷に潜って
震えながら
ひたすらに、にんげんを待っていた
視界を支配する
抑圧されていた記憶に
壊されていく
心地よい思い出がいる
だから温かい布団の中でも
最期までアンチ懐古主義
あなたの顔さえ見ないまま
そして死ぬとき
自由詩
お題/そして死ぬとき
Copyright
茜井ことは
2007-03-07 17:16:25
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