金髪の詩人
はじめ

 金髪の詩人は詠うよ
 言葉を自在に操って詩を詠うよ
 地毛は黒だけど金髪に染めたのさ
 根元までちゃんと染めたよ
 さらにピンパーマまでかけたのさ
 だから女の子達に大人気なのさ
もちろん詩の才能があるからなのだけれど
 詩を詠う時
 金髪じゃないと想像力が全く湧かないのさ
 なぜかは分からない
 けど金髪じゃないと駄目なのさ
 生まれた時の彼には詩の才能なんて全く無かったが
 金髪にしたところ突然メキメキと才能が溢れてきたのさ
 詠うように詩がスラスラと語られる
 森の奥や海底や天上の神秘さをふんだんに織り込んで
 その煌めきさと言ったら彼の右に出る者はいないんだ
 即興で素晴らしい詩を詠うんだ
 おぉ 君こそ世界で一番の吟遊詩人さ
 君が詠えば荒野は草木花で一杯になり
 大海原は一瞬にして澄む
 人々は仕事のことも忘れて彼の詩を聴きたがる
 お金を取ろうと思えばいくらだって取れる
 けどそんなことはしない
 ただ詠っていたいだけなんだ
 今日も金髪の詩人は詠うよ
 ご自慢の金髪を揺すって詩を詠うよ


自由詩 金髪の詩人 Copyright はじめ 2007-03-06 17:43:34
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