微炭酸の夢
夕凪ここあ

花かんむり
シロツメクサの匂い

透明色
ソーダ水の水面の波紋

むせ返る夏を
不器用に泳いで
よろめいた夕暮れ時に涙

びーだま、の

陽炎のアスファルトで
かなしい音を立てて割れていく
間から夜が生まれてくる

ママには内緒で
手のひらを重ねてみたら
太陽のあったかさ
夜ご飯は少し残した

あの日
目の中は透明色

びーだま、の

ソーダ水の揺らめく泡
ガラス細工の繊細さ

今ではもう
からだの中に浸透していく
やさしい痛み

昨日の夢は
シロツメクサの匂い
目覚めに泣いていても
とっくに置いてきた
びーだま、の綺麗すぎる音色



自由詩 微炭酸の夢 Copyright 夕凪ここあ 2007-03-05 23:19:51
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