おおげさな従順
三架月 眞名子
今まで生きてきて学んだシナリオ
「たまには猫のように気まぐれに
擦り寄ってみるのも有効な手段で
犬のように従順に慕うだけでは
いつのまにか相手の心は離れてしまうし
何より自分も疲れてしまう」
だからボクはは
突然電話をかける
驚くキミに
愛の言葉を投げかける
そして甘える
悩みとか汚い感情とか
そういった不安定さを全てぶちまける・・・
"ふり"をする
キミはずぶ濡れの子猫を見る目で
くすりと笑って
心の中に
土足で入る許可をくれる
温かいミルクを差し出してくれる
その完璧な成り行きを
部外者のように冷ややかな目で
ただただ眺める自分がいる
結局キミは
ボクの本性を
何も解っちゃいないんだね
そう思ってほくそ笑む
猫の眼で
そうやって
自分の汚さを
醜さを
ずるがしこさを
急に確かめてくなる衝動
それは苦い苦い
薬を飲むような依存感
そんな矛盾を繰り返して
得られるのは
甘い甘い
チョコレートを食べる時の満足感
でも
効果はほんの一瞬だから
ボクは繰り返す
今日も猫に成りすます
大げさな従順
そして
心の隅で罪の意識