弔い
智鶴

微かに響く鐘の音
哀しいその音に何を祈ればいい?
縋り付く必要も無い

この先から見えてくるだろう
痛み、憂い、泣くことの答えが
そしてその意味が

私は、ただ立ち竦んでいた

この鎧は脆くも崩れて
私は裸でしゃがみこむ
それでも貴方は私に剣を握らせ「戦え」と言うの?

腕を伸ばして
意味を求めて
例えそれが罪だろうが、愚かだろうが
それでも貴方はこんなにも小さな手を「握り潰せ」と言うの?
非情になるなら、何故泣いているの?

生きていると
これは誇りだと
腕を傷つけ
流れる血を確かめ
冷たい痛みすら、私には生きる為の温もりと知って
今夜、此処で眠ってしまおう


自由詩 弔い Copyright 智鶴 2007-03-04 22:39:59
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